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【番外編】代表に聞いてみた!其の弐(番外編)

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【メディア・ワン 代表インタビュー】
趣味は散歩や料理など、「時間がかかること」。
理由は「企画やナレーションを考えながらできるから」という、趣味=仕事、根っからの「映像人」である弊社代表・奥村健太に、若手社員(高橋美波・2020年入社。通称:たかみな)がインタビュー!

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株式会社メディア・ワン 代表取締役
プロデューサー/ディレクター
奥村健太 (おくむら・けんた)47歳 最近、スマホゲームのドラクエウォークにはまっていて、あちこち歩きまくり。
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※今回は前編、中編、後編の三部作の【番外編】です。

Q:さて、うちの会社の奥村さんと言えばグルメですが…
これまでの取材で特に印象に残っている外食のエピソードはありますか?

A:いやいや、やめて!グルメじゃなくて、食いしん坊ね。そこ、間違えないように(笑)。
うーん…そうだな…店がいい?店じゃないのがいい?

Q:(え?お店じゃない外食…?)…どちらもお願いします。
A:じゃ、まず…店じゃないのからいうと、取材するときに、基本的には僻地に行くことが多いのね、俺。だから民泊する機会って多いのよ。まぁ、人ん家に泊めてもらうことがすごく多くて…、取材をしている人の家に泊めてもらうことも多いんだよね。ホテルなんかないし。例えば遊牧民のところなんか取材に行くと、羊をつぶした料理を手づかみで食うってこともあってね…キルギスに行ったときには「ベシュベルマック」っていう料理を食べさせられたんだけど…

Q:ベシュベルマック…?
A:「ベシュベルマック」。

ベシュは「5」、ベルマックは「指」を意味する言葉らしくて、料理を5本の指で食べていたことが由来になったと言われているのよ(諸説あり)。こうやって手で麺と一緒に羊の煮込みを食べる。
…でさ、一番のお客さんは羊の頭を食わせるっていう習わしがあって(笑)。

Q:あはは「おいしいところだよ!」って?
A:「マジで、美味しいんだよ!」って。その時はベテランの俳優さんと一緒に取材に行っていたんだけど、その人の目の前にドーン!って(笑)。 オレ近くにいたんだけど、「奥ちゃんこれ食べた方がいい?」「(番組的には)食べてください!」…で、むしゃむしゃ~って、羊の頭にかぶりついて(笑)。 先方はもちろん歓迎の意味を込めてやってくれているんだけど、なんといっても結構ビジュアルが強烈だからね。

Q:でも目玉とか美味しそうですが?
A:目玉は美味しいよね、裏の部分とかね。
…で、次に美味しかった「お店」の話をすると、中国の四川省に行ったときで、その時も先方にすごく歓迎されて。「ここの鍋が超美味いから」って、すご~く辛い火鍋を食わされるわけ。それで中国アルアルなんだけど、必ず乾杯して挨拶して、テーブルも回るし、酔いもグルグルグルグルまわってくると、ほとんどワケがわかんなくなってくるのよね。そのときに出てきた鍋がね、めっちゃ美味しかったの。すげー辛いんだけど。

Q:うわぁ…赤いな~!
A:これ魚が油で揚げてあって、その上でもう1回煮込んでいるのね。普通の唐辛子だけじゃなくて三椒とかも入れて。

Q:麻辣とか?
A:そう。なんだけど、本場のは、本当に辛くて舌がビリビリ痺れるんだけど美味いのね、っていう感じ。この鍋が、これまで食った鍋の中では最高に美味しかった。

Q:それはロケ何日目ぐらいだったんですか?
A:基本的に初日だね、明日からよろしくね、みたいな時に、中国では現地の人がこっちを接待するって文化があるの。ちなみにロケの最後は、逆に取材班がありとうございましたって現地の役人やスタッフを接待するのね。で、この鍋のときは区長さんみたいな偉い人が出てきて、明日から頑張ってねって、白酒で乾杯して。だいたいロケの初日は朝が早いから早く帰りたいって思うんだけど、なかなか途中退席もできず…でも鍋は食ったら美味しかったな~。

Q:何が入っているんですか?
A:基本的には机と椅子以外の4本足の動物なら何でも(笑)。それは冗談だけど、その時に思ったことは、中国料理って本当に合理的なんだなって!

Q:合理的?
A:世界中で色んな飯食ったけど、こんなに合理的な飯はないなって。なんでかわかる?

Q:辛くて温かくなるとかそういうことですか?
A:いや、違う。今ではだいぶ改善されたけど、中国って基本的に汚いのよ。

Q:衛生面ということですか?
A:昔から共産党の幹部とかが使う高級店は別格にキレイなんだけど、特に四川省なんかは内陸じゃん?海がないから、魚介とか基本的にないのよ。…なので魚も泥臭い川魚が多くて。…基本ね、中国料理ってなんでも二度揚げするのよ。

Q:確かにそうですね。
A:酢豚を想像してみ?
まず豚肉を揚げて、菌が死にます。それを皿にあげて、皿の菌が死にます。
次に、野菜を炒めて、今度は野菜にいる菌が死にます、豚を戻してとろみをつけます…これで3回、菌が死んだよね?
…さらにもう1回念入りに炒めて菌を殺します!…ってことで一連の工程で菌が何度も死んでいるんだよ、高熱で。衛生面を考えてなのか、単なる経験上からくるものなのかは知らないけど、二度揚げの料理が殆どで、しかも美味しいわけ。鍋もそうなの、1回揚げたお魚とかが具として入っていたりする。

Q:そうなんですね!あんまり食べたことないんで中国の鍋…
A:それプラス…辛いものってことは消毒作用があるので、ニンニクとか唐辛子とか三椒とかでもう1回菌をブチ殺して、って感じ。清潔じゃない、不衛生であるって前提で、二度揚げの料理が多いっていうのはやっぱり凄く合理的だなと思って。あとはやっぱ何で合理的でいうと「天下」がコロコロ変わっているからなんだよね。

Q:…と言いますと?
A:たとえば、たかみなさ、1日100円ずつもらえるのと、7日後に、1週間経ってから1,000円もらえるのどっちがいい?

Q:…7日待つと1,000円ですよね?
A:そう、多少プレミアがつく。

Q:じゃあ7日後に1,000円ですかね。
A:…って思うじゃん。日本人に聞くと、大半が後者をとる。でも中国人って100人に聞くとほぼ100人が100円ずつもらうの。さて、どうしてでしょうか?

Q:なんで~?あ、そうかお金がいつ使えなくなるかわからなくなるから!
A:そう、本当にあっという間に「王朝」なんて隋から唐に変わるし。明日は明日の風が吹くって考え方が基本だよね。本当に目先のことだけ考えているから、何でも合理的に考えてかないと生き残っていけない。…だから一番強いのが「地縁」と「血縁」なんだよ。つまり家族ね、血のつながり。それから同じ土地で生まれ育った仲間。そういうのをスゴイ大事にするのよ。そこに取材でも何でも、入り込もうっていうのはすごく大変だから、さっきいったみたいに歓迎会とか宴会とかしてめちゃめちゃになるまで飲んで仲良くなる。

他にもね、タバコをあげて、もらって一緒に吸って、話して仲良くなる…っていうのが昔からある。回し食い、回し飲みっていうのは文化としてあって。まぁ、最近はコロナ禍でかなり変わったようだけどね。それはやっぱり、明日になったら、今日の常識が通用しなくなるっていうことを何千年とやってきているわけよ。
俺が中国をメインに取材していた頃って、まだまだ未開で発展途上の部分も多かった国だったから、上海万博の取材した時(2010年)に初めて上水道が普及してきたぐらい。

Q:あ、そうなんですか?
A:上水道、ペットボトルを別にすれば、一般的に飲める水が一切なかったからさ。そういう国がどんどんGDPも上がっていって、今やもうアメリカVS中国じゃん、ほぼ2極化。中国が、超大国として復活していく過程を、ドキュメンタリー取材を通して見られたのは良かったなというのと、そんな超大国を構成する中国人のことを少しでも理解できたっていうのが凄く良かったな…って。

Q:お隣の国ですからね。
A:そう。韓国もそうなんだけど、中国って隣の国だけど全然わからないじゃん。北朝鮮はもっとわからないし。ロケで知られたのはすごく良かったと思う。

Q:食を通して。
A:そう。食べるっていう行為そのものも、勿論とても大事なんだけど、食べ物ひとつをとっても国が見えてくる。俺、ロケの前によく皆に言っていると思うんだけど…。

「ロケ飯は可能な限り、チェーン店じゃないところで食べる」

…これ、真理だから、よく覚えておいて、後輩にも教えてあげてね。
つまりさ、「食」ってのは、その国の文化そのものなのよ。食文化を通して、国民性が見えてくるし、土地の風土や成り立ち、人となりにも多大な影響を与える。水や食料が豊富な土地では、争いごとは起きづらいし、逆もまた真なり、だよね。もちろん外国だけじゃなくて、日本の地方も同じ。

俺たちの仕事って、視聴者の代わりに、遠いところを取材して、お茶の間や、テレビ受像機、今だとスマホか…に映像を届けるよね?その過程で、食を知り、人を知り、国を知る…撮影を通して、真の国際人教育をしている、というと大げさだけど、まぁ、そういうこと。

美味しいものを食べると、胃袋が喜んで、健康になる。ついでにいうと、身体の栄養も大事だけど、「心の栄養」が、最も大事なのよ。「食の記憶が、旅の記憶」、これからの長いディレクター人生、良き記憶をどんどん積み上げていってください。

…って、長々と話しちゃって、ごめん。最後の部分だけ切り取ると、この代表…どんだけ食いしん坊なんだよ!?って思われるな(笑)。

Q:いえいえ、しっかりと来年度入社の後輩たちにも引き継いでいきます。有難うございました!
緊急事態宣言があけたら、美味しいもの食べさせてください。

A:ああ、もちろん!そうだな…店がいい?店じゃないのがいい(笑)?

Q:…もちろん、店でお願いします…。
                      (了)

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