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第五〇号『ADないちゃんの報道現場日記』
投稿日時: 2014-01-16 12:58:15

「快感」

いきなりですが、皆さん“快感”を味わってますか〜?
はじめてまして、『ADないちゃん』です。

月−金曜の8:00〜10:00放送の情報番組。
ここが僕がADとして働いている放送の現場だ。

TV業界以外の人にはあまり知られていないと思うが、
情報番組は、『月曜班』、『火曜班』など、
曜日ごとに担当スタッフを分けていることが多い。
僕は『木曜班』を担当している。

担当班は前の日から会社に泊まり込み徹夜で作業にあたるので、
24時間近く働くことになる。
一般企業で働いている人から見れば『超長時間労働』だろう(笑)

しかし、その丸一日がなぜかあっという間に過ぎてしまう。
情報番組のスタッフにとっての一番の大敵、それは『時間』なのだ。

放送に間にあわすべく作業するスタッフのバタバタ具合は、
まさに『戦場』という言葉がピッタリ。
今回はそんな『バタバタな1日』を紹介しよう!

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9月のとある水曜日

〜10時00分〜

番組スタッフルームへと到着。
この時間から次の日の朝オンエア用に向けた作業へと取りかかり始める。

ADの仕事は番組によって大きく異なるが、僕が働いている情報番組の場合、
主な仕事はVTRで必要となりそうな過去の映像や資料映像をかき集めることだ。
そして、それらの映像を編集用にテープへとまとめるダビング作業を行う。
たった1本のVTRを作るのにも2、30本のテープをダビングする必要があるので、
なかなか時間がかかる。
(もちろん全てを使う訳ではなく、そこから良い映像を取捨選択することになるが…)

また、スタジオに何か物を出す場合には、その品物を出せるように企業と交渉や
スタジオで見せるのに必要なもの(料理であればお皿など)の準備もする。
その合間合間で資料のコピーを頼まれたり、弁当を手配したり、やることは山積みだ。

とは言っても、これらの作業は忙しいとは言っても、
他のADとバカ話をする余裕がある程度の忙しさ。
本当に大変なことになるのは、これからだ…。

〜23時00分〜
唐突に、曜日チーフディレクターから僕に“指令”が下る。

「今すぐ下北沢駅に急行しろ!利用者のインタビューを取ってこい!」

この日、台風26号が首都圏を直撃。
下北沢駅の線路が冠水し、小田急線が一時全線で運転を見合わる事態となっていた。
驚くことに、その原因は乗客が線路に『ポイ捨てしたゴミ』だった。
ゴミが雨水に流され、排水溝に詰まったことで冠水が起こったと
この日の夜になって判明したのだ。

ADは普段なかなか取材に出る機会が少ない。
しかし、大きな災害や事故などの場合は人手が足りなくなり、
現場に出されるのは実はよくあることなのだ。

時間との闘いはここからが本番だ。
すぐに時計に目をやる。オンエアは翌朝の8時だ。
編集作業などの時間を逆算すると、取材可能な時間はわずか1時間程度。
1分、1秒も無駄にすることはできない。

〜23時05分〜
5分後。カメラを持ってスタッフルームを飛び出す。
しかし、タクシーを拾って現場に急行しようとしてもなかなか停まってくれない。



↑タクシーがなかなか捕まらず焦る自分(笑)

結局、タクシーを捕まえたのは、約5分後だった。
他のADたちとバカ話していたら、
あっという間に過ぎてしまうこの5分間という時間。
しかし、この時の僕にはまるで数十分のように感じられる。
どんどん時間が過ぎてしまう焦りと不安は半端ではない。

ようやく捕まえタクシーに乗って僕は下北沢駅へと向かう。
タクシーに乗っている間も車内でカメラのセッティングを行ったり
電話でディレクターと状況確認の連絡を取ったりと時間を無駄にできない。

〜23時32分〜
下北沢駅に到着。
小型のビデオカメラを手に、手当たり次第に利用客に声を掛ける。
まるで歌舞伎町の『キャッチ』かの如く、しつこく声をかける様子は
はたから見ると、ちょっと怪しい人だ(笑)

〜24時03分〜
30分ほど取材を行い、「びっくりした!」「客のモラルを疑う」などの
コメントをなんとかゲット!
僕はまたタクシーへと飛び乗り、高速を利用して大急ぎで局へと戻る。

〜24時40分〜

局へと戻った僕を待っているのは、今度は『書き起こし』という作業だ。

インタビュー内でのコメントをテープを見ながら、文字にするのだ。
編集を行うディレクターはこれを見ながら『使いどころ』と呼ばれる、
コメントの中で最も効果的な部分をVTRに使う。
これも重要なADの作業の1つである。
本当に時間がないため、いちいち撮ってきたテープを見ている時間はないのだ。

〜2時13分〜
オンエアまで残り6時間のところでなんとか任された全ての作業を終了。
VTR編集を担当するディレクターに書き起こしを渡すことができた。
(ディレクターはこの時間から編集作業へと入っていく。)

任された仕事を終えると僕はまた通常のAD業務に戻る。通常と言っても
それはそれで忙しいのでバタバタになるのか変わらないが(笑)

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「もし自分のせいでオンエアにVTRが間に合わなかったらどうしよう」

そんなプレッシャーが常につきまとうスリル満点の現場
多くの人が想像するように確かに放送の現場というのはしんどい事ばかりだ。
雑務は多いし、働く時間も長い。時間に追われ毎日ヘトヘトになる。
ときには脇に嫌な汗をビッショリとかく。

しかし、やり甲斐という点においては
これほどやり甲斐のある仕事もなかなかないと思う。
自分が撮った映像がオンエアで流れ、視聴者に届く。
それはその後しばらく忘れることはできないほど、『圧倒的な快感』なのだ。

《おわり》

文責:制作部 内藤広駿

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